動物や自然物に扮したカメラを忍ばせて、野生動物の普段は見れない姿が観れるBBC earthの人気シリーズ「スパイカメラ」。今回はその中でも多彩なロボットカメラと動物たちが登場する「リラックス・アニマルズ」を紹介します。
「BBC earth」動物ドキュメンタリーのおすすめ作品の紹介です。今回の作品は「リラックス・アニマルズ」シリーズ。2作品作られており、その内容と見所を、動画を交えながら紹介していきます。
タイトルでは分かりにくいですが、実はこの作品、動物や自然物に似せたスパイカメラを使って動物に接近する人気シリーズ、「スパイカメラ」作品です。動物ドキュメンタリーではありますが、気軽に楽しめる娯楽作品に仕上がっています。
Amazonプライムビデオ、Huluやwowowオンデマンドなどで見ることができます
Youtube: スパイカメラはこんな作品
「スパイカメラ」シリーズはこんな作品です。
プライムビデオ版はタイトルが違う
原題は「SPY IN THE WILD」。なぜか邦題ではスパイの文字が消えてしまいました。ただプライム会員特典版のタイトルは「スパイカメラ図鑑」になります。 2022/09より、「リッラクス・アニマルズ2」もプライムビデオで見れるようになりました。タイトルはやはり「スパイカメラ図鑑」です。 なぜタイトルが違うのか理由はわかりませんが、邦題のセンスが真逆ですね。
info 注意点
プライム会員特典の「スパイ図鑑」は第5話が見れません。第5話のスパイカメラの撮影秘話を観たい人は、「リラックス・アニマルズ」をレンタルしてください。
リラックス・アニマルズ
こんな内容
動物や自然物に扮したスパイカメラを設置して、普段は見れない動物たちの姿を撮影する人気シリーズ。 このシリーズの特徴は、動物たちの距離の近さです。自分たちの仲間と同じ格好をした新参者が現れたとき、動物たちはどのような反応をしめすのでしょうか? スパイカメラには予期せぬハプニングがつきものです。 時には、カメラを投げられたり、奪われたり、カメラがまったく機能していないこともあります。
今作は、「愛情」「知性」「友情」「悪だくみ」「撮影の秘密」の全5話。様々な地域のたくさんの動物たちを、進化したスパイカメラを使った、いろいろな映像で楽しむことができます。 そんな動物たちの普段は見れない行動が見られる、「リラックスアニマルズ」の見所を1話づつまとめてみました。
第1話「愛情」
第1話は愛情がテーマ。 子育てが中心。大自然での野生動物たちが、どのようにして子供を守っているのかを見ることができます。 リカオンはかわいい子供たちを守るために、ライオンと攻防。群れでライオンを翻弄します。リカオンカメラはこのシリーズではめずらしくかわいいです。
大人になれば敵のいないアフリカゾウも、生まれた直後は狩猟のターゲットに。生まれて直後に立ち上がるゾウを見ると、自然の大変さがあらためてわかります。
ナイルワニは子供を口に入れて運びます。 スキンシップでキスをするプレーリードッグ。母鳥も巣の中にこもって、夫婦で子育てをするアカハシコサイチョウ。野生のネコをかわいがるチンパンジーを見たことがありますか?
立派な巣を作るために、やっぱり泥棒をするアデリーペンギン。
ワニカメラはまさかの孵化タイプ。しかも卵の殻つき。グレムリンみたいなショウガラゴカメラ。出来栄えの良しあしや、カメラが機能しているのかどうかも、このシリーズの大きな魅力です。
第2話「知恵」
第2話は「知性」がテーマ。自然界の動物たちだって、道具や知恵を使って食事をする者もいます。 やはり目立つのはサルや鳥たち。器用で賢い。
オランウータンは人間の道具を使います。 器用には石鹼を使い手を洗いますが、のこぎりを使うのは難しそうです。 ほかにも道具を器用に使う動物がいます。 チンパンジーやカレドニアカラスは道具を使って獲物を取ります。道具を加工するのも賢い証拠です。 石を使って木の実を砕くフサオマキザルにとっては、スパイカメラも道具になります。
悪知恵の働く動物もいます。ミーアキャットに警告して、危険を知らせるクロオウチュウ。この鳥の行動は、もちろん善意ではなく、エサを横取りするためです。泥棒するのはアデリーペンギンだけじゃありません。ハイイロリスは埋められた木の実を盗みます。黙って盗まれるだけではありません。泥棒対策も行います。
泥を食べて体調を整えるアマゾンの動物たち。彼らにとって、泥は天然のサプリのようです。 頭が悪いと言われるダチョウだって、ヒナを守る知恵があります。ヒナからヒョウを遠ざけるためには演技もします。 ほかにも、かわいいラッコの食事姿で見られます。 このエピソードを見ると、人が思っているよりも、はるかに賢い動物がいるのがわかります。
第3話「友情」
社会性の高い動物たちがどのような行動をしているのかがわかります。役割をもって行動したり、ほかの動物と共生したり、体育会系のような縦社会をもつ動物もいます。ミーアキャットもとても社会性の高い動物なのが分かります、集団で行動し、子供の世話役や見張り役など、各々が役割を交代制でこなします。
虫に悩ませれるホッキョクオオカミは、子連れで巣穴を移動します。 道中で疲れた子供は安全な場所へ休ませると、他の子供を連れて先に行ってしまいます。子供をひとりにして大丈夫なのでしょうか?
動物界にも共生する動物もいます。マングースはイボイノシシの手入れをします。 乱暴者のイメージがあるカバやワニにも、お互いの利益のために協力する動物がいます。
賢く強いチンパンジーは群れで狩りを行います。、狩猟者が獲物を食べた後には、ちゃんと仲間に分け与えます。チンパンジーは社会性をもち、また、縦社会で序列がしっかりしているのがわかります。
驚いたのはプレーリードッグの言語力。天敵を発見すると、仲間にその種類や距離を伝えています。ただかわいいだけの動物じゃありません。 家の近くのカラスたちも音程を変えて鳴いていますが、「あの人間は危ない」など、いろいろな情報を伝えているのかもしれません。
第4話「悪だくみ」
第4話のテーマは「悪だくみ」。第2話の「知性」の延長のような内容です。 弱肉強食の動物界、本当に悪いやつもいます。
せまい貯水槽に飛び込むアカゲザル。しかも、結構な高さから飛び込んでいます。失敗しないのか心配になります? ゾウも人間と一緒で、小さい頃はやんちゃ。ちびゾウは何をしてもかわいいですね。世代でサイズが違うのが分かります。
若者が調子に乗ると、大人が怒るのは人間と一緒。 ホッキョクオオカミのやんちゃな子供は、ベビーシッターから教育的指導を受け、調子に乗りすぎた若いチンパンジーは、大人に追いかけられます。チンパンジーの行動は人間のようです。
「悪だくみ」のテーマに一番合うのがグンカンドリ。こいつは本当に悪い。 騙しと盗みで食料を確保します。ほかの鳥から魚を奪う姿をみて下さい。魚を横取りするために、空中でターゲットの鳥(ネッタイチョウ)を振り回します。しかもしつこいので、最悪です。 同じように悪さをする動物でも、コミカルなので和んでしまうアデリーペンギン。 今回も、良い巣をつくるために泥棒しますが、今回は悪天候。 周りがじっとしている中で、手際よく石泥棒が姿は笑ってしまいます。
野生にも薬物に手を出す動物もいます。バンドウイルカはフグを、キツネザルはヤスデを使用します。完全にトリップしたキツネザルの表情が、その効果を物語っています。
第5話「撮影の秘密」
第5話の内容は、スパイカメラの作成秘話や撮影の苦労など、まさに「撮影の秘密」です。 残念ながら、プライム会員特典で見れる「スパイ図鑑」では見れません。
スパイカメラがどのようにして作られているのか、カメラの中がどうなっているのか興味がある人は見てください。作中では出番の少ないカメラもありますが、時間をかけて丁寧に作られているのが分かります。 また、カメラによって完成度が違いますね(笑)。かわいいリカオンカメラの完成度に比べ、オオカミカメラはぬいぐるみみたい。オランウータンカメラの表情はとてもリアルです。
スパイカメラ作成の裏側だけでなく、撮影現場でどのようにして使われているかがわかります。船や車に乗って運ばれるスパイカメラもなかなかいい絵なので、ぜひ見てほしいです。ペンギンカメラは、リュックやソリで運ばれるだけで十分かわいいです。 また、スパイカメラの活躍で動物たちの貴重な映像が撮れたときは、その達成感が伝わってきます。「BBC earth」のすごい所は、撮影への熱意と忍耐力だと再確認できます。
ほかにも水陸両用のワニカメラのテストや、水の中のワニカメラの回収、ヒョウに襲われそうになるなど、とても楽しめる内容になっています。
リラックス・アニマルズ2
前作に比べると撮影技術が進歩しています。具体的に言うと、ドローンタイプの登場です。明らかな飛行機もありますが(笑)、効果は絶大です。 また、スパイカメラをフューチャーする演出が増えました。これは良くも悪くもといった感じですが、今まで登場がピークのスパイカメラもそれなりにあったので、労力を考えれば致し方ないかもしれません。
今作は「熱帯」「北部」「島」「北極圏と南極圏」の4話になっています。新たな技術を取り入れたスパイカメラが活躍します。とにかく大ボリュームの今作。1話ごとに登場するスパイカメラも増え、たくさんの動物たちが登場する娯楽作品に仕上がっています。テンポよく楽しめる本作ですが、スパイカメラならではの新鮮な映像もたくさん出てきます。
ドローンタイプの登場は、鳥たちの今まで見たことのない姿を撮影しています。 ほかにも、オオコウモリ、ビーバーの普段の行動や、温泉でグルーミングするニホンザル、とにかくかわいいラッコやクアッカワラビーの姿など、スパイカメラならではの映像が楽しめます。
プライムビデオ版のタイトル
プライムビデオ版のタイトルはスパイカメラ図鑑 動物の家族2」になります。内容は変わりません。Hulu、wowowオンデマンドなどで見ることができます。
第1話「熱帯」
第1話は「熱帯」地域がテーマ。アフリカ、ブラジル、コスタリカ、オーストラリア、ボルネオと幅広い熱帯地域が紹介されます。 ブラジルでは、ジャガーカメラが登場した後、カイマンやシラサギ、ジャガー、カピバラがテンポよく登場します。 サンビアでは、暑さで水が減っていき、カバには死活問題です。大勢の群れが集まる緊迫の状態。
見所
ウガンダでは、ゴリラカメラが活躍。スパイカメラの前には、好奇心旺盛なゴリラたちが寄ってきます。 ゴリラは食事中にハミングします。音階があるのが分かります。たくさん食べるので、おならもします。
おすすめはオーストラリア。スパイカメラならではの映像で、ぶら下がっている目線でのオオコウモリが見られます。子育てしたり、厚さ対策でパタパタするしぐさが、新鮮でかわいいです。
ほかにも目まぐるしい数の動物たちが、次々と登場します。スパイカメラも増えており、新型のドローンタイプから、出来の良い物、悪いものが次々登場するので、そちらも楽しめると思います。
第2話「北部」
第2話は、日本、北米、ドイツやイギリスが舞台になります。 日本では、温泉につかるニホンザルのリラックスした姿が和ませてくれます。 雪の中で遊んでいる姿は新鮮です。メキシコで越冬をする蝶・オオカバマダラは圧巻の一言。とんでもない数の蝶が、枯葉のように一斉に舞っていきます。スロー映像がとてもきれいで幻想的です。
ヘビが苦手な人は注意してください。大量のガーターヘビがひとかたまりになります。本当に蛇のかたまりなので、閲覧注意です。 ある意味圧倒的なクォリティなのがクマカメラ。空回りしている芸人のように、でんぐり返したり、鳴いたりします。水中のサケを追い回すハイイログマよりも悪目立ちしています。このシリーズでは、出来の悪いカメラも楽しみの一つだと思います(笑)。
見所
ラッコカメラの活躍で、ラッコ目線かわいい姿が見られます。 もりもり食事するラッコは何度見ても和みます。ラッコが貝を割る姿も接近映像でご覧ください。とにかくほのぼのします。
ぜひ見てほしいのは、特徴的な前歯と平べったいしっぽを持つビーバー。 冬に備えて、共生するマスクラットとともに、巣のリフォームに励みます。 当人たちは忙しそうですが、ビーバーの表情や水中をスッー泳いでいる姿は、何ともほっこりします。
海上では、イトマキエイ大群が登場します。その大群の頭上を飛ぶペリカンカメラがなんともシュール。今作は何とかスパイカメラを移そうとする意図がちらほら見えます。 ものすごい数のエイガ、ウェーブしたり、飛び跳ねたりします。
第3話「島」
第3話は南半球の「島」がテーマになっています。 ガラパゴス島では、海に飛び込むウミイグアナは面白いアングルから撮影されています。豪快に鼻水を飛ばす映像はインパクトがあります。 有名なクリスマスアカガニの移動ですが、ここでもスパイカメラが悪ノリしています。スパイカメラで道路を渡る理由がわかりません。
マダガスカルでは、ワオキツネザルやシファカが登場。ワオキツネザルは、ヨガのうようなポーズで日光浴し、シファカは横跳びしながら地面を移動します。 インドネシアのコモド島と言えばコモドオオトカゲ。 地面からのアングルでみるコモドオオトカゲは流石の迫力です。長い舌が怖さを助長しています。 水たまりに集まる30頭以上のゾウガメのゆったりした姿も見られます。
見所
オーストラリアではコアラとカンガルーが登場。歩くコアラだけでなく、コアラ同士の争いも見られます。コアラの悲壮感漂う叫び声は、どこか小物感を感じさせます。
第3話の目玉ともいえるのが、まるで生きるぬいぐるみクアッカワラビーです。食い意地が張っているクアッカですが、その食事風景も、ただただかわいいです。
全体的に和む内容の今作ですが、緊迫したシーンもあります。 ホオジロサメから逃げるオットセイのテクニックはなかなかの緊迫感があります。真っ正面からのホオジロザメ、黒い目がやばい。
第4話「北極圏と南極圏」
第4話は極寒の地、北極圏と南極圏です オウサマペンギンが漁を終え浜に上がると、そこにはゾウアザラシの大群。刺激しないようにそっと歩くペンギンたち。なかには海草を付けたまま歩く、ドジなペンギンもいます。 ゾウアザラシのオス同士のあらそいは、迫力あります。ボスのゾウアザラシには歴戦の傷が残っていて、ハーレムを維持する大変さがわかります。
ホッキョクグマはすごい良いアングルなので。ホッキョクグマ好きな人はぜひ見てください。顔を出して泳ぐ姿や、うすい氷を慎重に歩く姿も見れます。 接近映像が得意のスパイカメラですが、それが裏目に出ることもあります。 ホッキョクオオカミ、すごいよごれです。子供のかわいさよりも、さすがによごれが気になってしまいました。野生の動物なので、こればかりはしかたありまえん。 ジャコウウシを狙うオオカミの狩りが見られます。チームワークで狩りをしているのがわかります。
タイセイヨウセイウチの海の中で寝る姿がおもしろい。仰向けで大いびきをかいてる姿は、すごく気持ちよさそうです。セイウチのオスは大抵機嫌が悪いとのこと
面白かったのがニシツノメドリ。 緊迫感のない顔立ちもあり、観ているだけで和んでしまうのですが、当然繁殖期にはメスを手に入れるために決闘をしなければなりません。ただ、ペンギンと同じように、争っている姿もほっこりしてしまいます。何度も見たい映像です。